マイナンバーに関係なく税務署は金融機関の口座を把握している

税務調査
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 マイナンバーの導入により、個人の預貯金等口座が税務署に把握されることの不安の声を聞きます。でも、税務調査においては、それほど大きな意味を持ちません。なぜなら、個人事業者や大口資産家の口座等保有状況は昔から大量に、独自に収集蓄積しているからです。これらの情報はKSKシステムという、国税庁の大型コンピューターに登録されています。

 国税局・税務署はあらゆる角度から資料情報を収集しています。以前の最高裁判決で有名になった「横目収集」もその一つです。預金情報等は個人情報なので、本来、調査に着手しない状況で、普遍的(まとめて)収集することは禁止されています。ところが、特定の調査先の税務調査の際、ついでに大きな金額が入金されている口座、振込が多い口座などを、金融機関に内緒で「横目」で収集します。いわば違法収集です。ところが、犯罪捜査ではないということで、最高裁は「横目収集は違法であるが、課税処分を取り消すほどではない」としてお墨付きを与えました。裁判所の得意のパターンです。

 なお、これらの蓄積情報は職員の所属部署、地位によって厳格な内部管理が行われアクセス制限がかけられており、すべてのアクセス記録が残るようになっています。そして、毎月直属の上司がアクセス履歴を1件ずつチェックし、その上司の分は、上司の上司がチェックして報告されます。例えば、一般の法人税担当職員のIDでは(著名人などの)個人の確定申告情報を興味本位で見ることはできず、また、一般の個人課税職員IDならば自署管内分の個人の確定申告情報を見ることはできますが、翌月上司である統括官が(見た事実を)厳格にチェックし、興味本位の利用及び情報の流出を防いでいます。またKSKにアクセスできる各人のパソコンからはインターネットや外部メールには接続できません。以前、社会保険事務所の職員が興味本位に芸能人の国民年金未納納付情報を閲覧し、その内容が流出し大騒ぎになったことがありました。国税は厳格なシステムを構築しています。これらの情報は全国の国税局・税務署でつながっていますが、外部から侵入できないよう独自の回線でつながっています。

 脱税はいつかはばれます。自主的に修正するのが賢明です。

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